されど十円


ピンポン









2枚の小さな扉が私の行く手を阻んだ









そう





それは突如訪れたのでした









電車を降りて





改札を出ようとしたところ









ピンポン







「残金が不足しております」







のアナウンス










おっと。失敬、失敬







と精算機に行くと410円足りないとのことでした







とりあえずチャージしようと思い







財布をピロっと開けると…











なんと、お札が無い!









中学生かっ!









と、ひとり心の中でツッコミを入れつつ







小銭入れの方を開けると











百円玉が4枚のみ











(^_^;)











十円足りん











いやはや、なんと申しますか…









思い返せば







途中小腹が空いてキヨスクで買ったアルフォートのチョコ







110円









こんなに恨めしいアルフォートの空き箱には







出会ったことがありません











さて







どうすっかな







としばらく思案。













華麗に跳ぶハードル選手の画が







一瞬頭をよぎりましたが











いやいやいやいや







と思い直し、駅員さんに事情を話すことにしました













「すいませ〜ん」









「乗り越しちゃったんですけど、、、」













「ちょっとお金が足りなくてですね、、、」













「なんていうんですかね」











「その、、、」











「あの、、、」













「買っちゃったんですよ」









「チョコ」











「別に買わなくても良かったんですけどねー」









「な〜んだろね」





「買っちゃったんですよ」









「もうね」







「深く深く、反省しております」







「ホントに申し訳ないっ!」







そいじゃっ!的な感じで







すり抜けようとしたところ









首根っこ掴まれ、連れ戻されましたとさ









ちゃんちゃん





※ホントは「財布忘れた」といってコンビニへ…